年代 | 商品の傾向、変遷 |
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1980年代 女性スタッフによる新製品開発が相次ぐ |
加熱時間を記憶できるオーブンレンジ、画面の色を好みの単色に変えられるテレビ、録音機能なしのラジカセ、ダニ取り用掃除機。(電通広告景気年表より) ファイブミニ(女性発想で成功した商品の代表格)は、女性の研究者3名の手により、手軽で画期的な飲みやすいセンイ飲料として1988年に誕生。この頃、消費者研究専門の研究所が多く開設されました。 |
1990年代 技術主導に風穴を開けた iモード |
松永真理さん発案で、携帯電話からインターネットに接続し、種々のコンテンツを提供するサービスとして成功。技術主導で開発を行っていた分野に、女性が、全く異なった視点で新たな市場を開拓した典型です。 |
2000年代 ネット上の主婦の意見を反映 |
ネットでCGM(Consumer Generated Media)と言われる一般人の発信や、コミュニティでの意見が増殖。ベネッセコーポレーションでは650人の主婦ブロガーによる情報発信と交流で賑わうwebサイト「口コミサンキュ!」で企業とコラボ。ローソン女子パン部等を開設。 |
2010年代 女性開発の商品が拡大 |
ビールやクルマなど、女性中心の購入商品に限らず、幅広い分野で女性が発想したり、プロジェクトメンバとなったり、女性チームで開発をした商品がヒット。 |
女性マーケターの視点 | メリット | デメリット |
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生活目線から発想する | 競合他社や自社の状況や製品の変遷等に囚われず、身近な生活目線を軸に、自由に発想できる。 | 自社のリソースが活きない、また原価も見合わないと、消費者的な発想に見えてしまう。 |
既存の方法に拘泥しない | 技術ありき、従来の開発アプローチありきでない視点による仮説から、画期的な製品を発想できる。 | 技術を知らず、素人の域を脱していないので、手段にまで落とし込めない。 |
感情を読み取るのが得意 | 論理を超えた感性、感覚的な要素を読み取る力から、技術優位では気づかない、製品の魅力や価値を発見できる。 | ロジックに落とし込めないので、経営者や技術者が理解できない。 |
人のしあわせがゴール | 市場シェアや利益、競争優位等の企業のゴールでなく、人がしあわせになる(QOL)視点をゴールに発想できる。 | 社内の都合や必要悪を受け入れにくいため、理想論で終わってしまい、実現性に乏しい。 |
ユーザ視点の共感力 | 共感力の強さから、ユーザ意識をしっかり掴むことでより本質的なニーズや本人も気づいていない潜在ニーズに迫れる。 | 女性が関与の少ない商品だと、発想に限界が生じる。(B to B商材、男性用や特殊なユーザの商品) |
女性感性の特性を真に活かすには、一見突飛と映る女性の自由な発想、アイデアを、既存の技術とビジネスモデルのロジックに“丁寧に翻訳する(紐づける)作業”、それを担う体制が求められます。この翻訳(紐づけ)作業は、やや大袈裟ですが、今までの商品開発には無かった未知、異次元への跳躍です。
女性が開発に関わっても、この作業を疎かにしたまま開発を進行した場合、開発プロジェクトの頓挫や、中途半端な商品開発に陥る場合が多々あります。
もろ刃の剣である女性の商品開発ですが、5つの特性が示す通り、商品開発において女性の感性が活きる場面は、機能などのハードよりも、コンセプトやニーズ、シーンなどのソフトに優位性があります。つまり、新たな視点で商品の入口であるコンセプトと出口の価値(ニーズ)を押さえる点にその真価が発揮され、とりわけ革新的な新製品のコンセプト開発に威力を発揮します。